プリセプターになったら――新人を育てながら自分も育つ
連載:はたらき方ノート(第3回)
初めてプリセプターを任されると、教える難しさに戸惑うもの。指導のコツ、関わり方の距離感、自分自身の負担管理まで、実践的な視点で解説します。
プリセプターの役割を整理する
プリセプターは、新人看護師に一定期間マンツーマンで寄り添い、臨床実践と職場適応を支援する役割です。単に手技を教えるだけでなく、精神的な支えとなり、職場に馴染めるよう橋渡しをする存在でもあります。まずは「自分がすべてを完璧に教えなければならない」という思い込みを手放すことが大切です。
教えることは、伝わって初めて成立する
知識や技術を「言った」ことと、相手に「伝わった」ことは違います。
- 一度に多くを詰め込まず、優先順位をつけて段階的に伝える
- 手技はやって見せ、やってもらい、振り返るというプロセスを踏む
- なぜそうするのかという根拠をセットで伝えると、応用が利くようになる
新人が理解しているかは、本人に説明してもらうと確認できます。
フィードバックの伝え方
指摘は成長のために欠かせませんが、伝え方次第で受け取り方は大きく変わります。できている点を具体的に認めたうえで、改善点を一つずつ伝えると、新人は前向きに受け止めやすくなります。人格ではなく行動に焦点を当て、「次はこうするとよい」という具体的な行動を示すことが効果的です。
距離感の取り方
熱心なあまり関わりすぎると、新人は依存的になったり、逆に息苦しさを感じたりします。少しずつ任せる範囲を広げ、見守る姿勢に移行していくことが自立を促します。困ったときに相談できる安心感を保ちつつ、自分で考える余地を残すバランスが求められます。
プリセプター自身のケア
プリセプターは、自分の業務に加えて指導の責任を負うため、負担が集中しやすい立場です。
- 一人で抱え込まず、チームや教育担当と情報を共有する
- 新人の成長が思うように進まなくても、自分を責めすぎない
- 指導の悩みを相談できる場をもつ
新人を育てる過程は、自分自身の知識や看護観を見つめ直す機会でもあります。教えることで、自分の理解の曖昧さに気づき、あらためて学び直すことは少なくありません。プリセプター経験は、指導力とともに自身の看護を深める貴重な財産になります。
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